1. ねじ締結体変形・ゆるみ挙動 ねじ締結部の軸直角方向往復すべりにおける締結を保持できる限界相対すべり量S_<cr>評価式の提案式を、現在産業界で用いられている種々のボルト、ナット締結構造、例えば、伸びボルト、スプリングワッシャ、テーパねじに適用し、実験結果との比較を行い比較的よい一致を確認し、上記評価式が汎用的な構造にてきようできることを確認した。 また、これらの結果として、スプリングワッシャーは、これの使用によって面圧のアンバランスが下で、限界すべり量S_<cr>が、70~80%に低下すること、また伸びボルトを使うことによって、そのボルト胴部の曲げ剛性低下により、限界すべり量S_<cr>が、20~30%増大することが分かった。 現在これらの汎用的評価式の成果を、CAE設計ツール化に落とし込んでいる。 2. フレッティング疲労強度 昨年度の提案した低サイクルフレッティング疲労強度・寿命の予測法、特定位置応力法(Point Method及びLine Method)を一般の応力集中部を有する試験体の低サイクル疲労強度・寿命予測に用い、一般の構造体の評価法との一貫性をも確認した。またこのような評価式が一般ものづくりの設計現場で使いやすいような、接触端部の応力分布の自動結果表示と最2乗法を用いた特定位置応力自動抽出を含めた、接触端部疲労強度解析用CAE設計ツールをも開発した。 3. 上記1でのねじ締結体CAE設計ツールと、2での接触構造体CAE設計ツールを現在機械学会での分科会「CDR6締結・接合体の設計評価技術開発分科会」に持ち込み産業界での普及を予定している。
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