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2009 年度 実績報告書

高機能薄膜被覆材料の耐久性に対する微視構造ベース評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20560073
研究機関京都大学

研究代表者

星出 敏彦  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80135623)

キーワード被覆材料 / 無機系材料 / 耐久性評価 / 機械的特性 / スパッタリング / 曲げ強度 / 被膜硬さ / 表面粗さ
研究概要

高周波マグネトロンスパッタリング法を用いて,セラミック材料のアルミナ,炭化ケイ素および窒化チタンをターゲット材とし,ホウケイ酸ガラス基板上に,2レベルの高周波電源出力のもとで各ターゲット材料とも3種類の膜厚の被膜を形成した.成膜したセラミック被膜特性の評価にあたり,表面粗さおよび微小硬度を計測した.この場合,高レベルの高周波電源出力で成膜するほど,表面粗さはより大きくなるが,被膜硬度は高くなった.また,膜厚が厚いほど,表面粗さは増し,より高硬度になった.また,被膜材料に対する依存性としては,表面粗さはアルミナ,炭化ケイ素,窒化チタンの順に大きくなり,硬度はバルク材料と同様にアルミナ,炭化ケイ素,窒化チタンの順に高くなった.
一方,被覆材料の耐久性の評価にあたっては,被覆面が引張側となるように試験機に装着し,3点曲げ強度を測定した.いずれの成膜条件においても,基板の曲げ強度に比べて,セラミック薄膜を被覆することにより曲げ強度が増大した.また,曲げ強度の統計的分布特性は2母数ワイブル分布関数でほぼ近似できた.高周波電源出力を高いほど,また膜厚が厚いほど,曲げ強度は増大した.上述のように窒化チタン被膜はアルミナ被膜および炭化ケイ素被膜に比べて表面粗さは大きくなったが,曲げ強度については窒化チタン被覆材料が最も高くなり,炭化ケイ素被覆材料,アルミナ被覆材料の順に低下した.
さらに,被覆材料の強度評価にあたり,相対硬度,相対粗さの平方根の逆数およびスパッタ時間の指数関数を乗じた関数として評価する手法を新たに提案した.この評価手法を用いて推定した強度は,実験結果に対して・10%の範囲内で一致することを確認した.曲げ強度と疲労寿命との間には正の相関があることが昨年度の成果も踏まえてわかっているので0耐久性評価にあたって本研究で提案した手法が有効であるといえる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Strength Evaluation of Borosilicate Glass Coated with Thin Ceramic Films by Radio-Frequency Sputtering2009

    • 著者名/発表者名
      Toshihiko Hoshide
    • 学会等名
      The 12th International Conference on Fracture
    • 発表場所
      Ottawa, Canada
    • 年月日
      2009-07-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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