研究概要 |
本研究では,まず,2光子吸収マイクロ光造形システムを構築し,光硬化性樹脂を高充填率のカーボンナノ繊維で強化した複合材料の成形を試みる.ついで,成形された複合材料の微小試験片に対して,微小材料試験機を用いた曲げ試験を実施し,ヤング率,曲げ強度および切欠き強度の測定を行い,カーボンナノ繊維の充填率の影響を定量的に明らかにすることを目的とする.さらに,シンクロトロン放射光を用いたサブミクロンオーダの分解能を有するコンピュータ・マイクロトモグラフィ(μ-CT)により,複合材料MEMS部品の内在欠陥を同定する非破壊検査手法の構築を目的とするものである.本年度は以下のように研究を行った. 1.前年度に構築した光造形システムにZステージ,XYステージ等を組み込み,ナノ繊維の充填率が0.3%,1%,5%,10%,20%,30%のカーボンナノ繊維強化複合材料を試作した. 2.試作した試料に対して放射光m-CT計測を実施し,内在欠陥の同定を試みた.その結果から,最も少ない欠陥で複合材料を作製できるレーザ光強度・照射時間の最適条件を検討した. 3.決定された最適条件によって,0.3~30%の種々の充填率でカーボンナノ繊維を含む複合材料の微小試験片を作製し,微小材料試験システムで曲げ試験を行い,ヤング率と曲げ強度に及ぼすナノ繊維充填率の効果を検討した.
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