球殻:金型成型の半球を溶接して製作した外径34mm、肉厚2.49凱血または1.65mm球殻(SUS304)の中央部に爆発細線部を設置し、PETNを充填させて衝撃大電流で中心点起爆させた。実験結果は同一外径の円筒爆発分裂データ(当研究室で既に得られたものと追加実験データ)と比較した。 円環(リング):外周に複数個の円環をはめ合わせた円筒(外径34mm、肉厚3mm)を一様爆発膨張させることで円環の高速膨張・分裂実験が可能であることを確認した。円環断面の厚さと幅は1:1(各3mm)で円環間隔は5mmとした。これらの最終的な形状決定は衝撃コードAutodyn2Dを用いた数値実験結果を検討して設定した。材料は基本的にSUS304とした。 平板:予備実験で四角柱の密集状態を形成した平板ではスポール破壊防止の効果があるとの見通しをえていた。本年度は、平面がより基本的な並列山形密集形状(Vノッチ列)を有する平板の平面爆轟波透過実験から開始した。この実験形状も数値実験による事前検証を行いながら設定して実験を行った。材料はSUS304とA2017を使用するが本年度はSUS304について実施した。 本研究における球殻、円筒、円環の表面のひずみ比(ε_z/ε_θ)は1、0、-0.243であった。この多軸性による破片アスペクト比と破断相当ひずみを把握した。また各構造要素の破片を予測できる分裂モデル(一次元モデルの拡張)を構築するためにGradyモデルを適用したが、分裂エネルギーΓは一定値とならず、多軸効果と破断速度の影響でさらにモデルの修正が必要であることが明らかになった。密集突起形成による平板の剥離破壊防止効果の検証についても数値解析を併用しながら段階的に最適形状を探った。その結果、ノッチ高さhが5mmより深い揚合にスポール破壊抑制の効果があると推定され、実験結果も解析予測を裏付けた。
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