研究概要 |
1.機械構造要素の爆発分裂破壊機構の解明:爆発膨張時の理想膨張びずみ比α(εθ/εz)が1,0,-0.5である球殻、円筒、円環(リング)の基本構造要素(SUS304鋼)を対象として実施した一様対称膨張・分裂破断実験結果に対してGradyの分裂モデルに基づく分析・解析を行った結果、円筒と球については分裂モデルが良好に適用できるが、円環については負荷形態によって局部的な断面変形(α:-0,25~0.472)が生じる影響もあって、実験法も含め検討の余地があることが判った。また相当ひずみ換算の砂断ひずみについては多軸性の高い球が大きな値となった。 2.円筒壁2重化による機能保全(分裂破片の飛散対策):前年度までの実験解析で、SUS304鋼製とアルミニウム合金A5052製の各々の円筒壁2重化による飛散防止に対して、内筒の平均破片の平板衝突による貫通問題として扱う手法が有望であると判断されたので、本年度は内筒と外筒の材料を混在させた場合の適用性について検討する実験を実施した。その結果、外筒SUS、内筒A5052の場合では、外筒への爆轟ガスの影響が無視できず、今後の研究課題となり得ることが判った。 3.Vノッチ列表面構造による機能保全(剥離破壊対策):SUS304材、A2024材平板の自由表面にVノッチ列加工することで爆発衝撃波の反射に起因する剥離(スポール)破壊が軽減できることを実験・解析で確認しているが、さらに供試板とモーメンタムトラップとの間に液層を設ける簡易法についても解析と実験を行い、有望な実用手法であるとの見通しを得た。
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