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2009 年度 実績報告書

遮熱被膜の高温疲労剥離強度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560087
研究機関東京理科大学

研究代表者

金子 堅司  東京理科大学, 工学部, 教授 (40016803)

キーワード溶射被膜 / 層間はく離 / せん断強度 / クリープ / 有限要素法 / 熱負荷・熱応力 / 疲労 / 応力特異性
研究概要

本年は(1)900℃、1000℃および1100℃の3条件で加熱処理した試料の遮熱被膜のはく離エネルギーを室温下において円筒押し抜きせん断試験により実験的に調べた。また、(2)熱負荷によって基材が膨張することから、被膜にき裂が生じ、さらに界面でのはく離が発生する状況を観察するために高温単純引張りおよび繰り返し引張り試験を行うと共に有限要素法による実験に対応する状況における、試料界面に生じるせん断応力分布の解析を行い、考察を行った。
(1)はく離エネルギー、(2)き裂の発生とはく離進展、について、以下の知見が得られた。
(1)-a)加熱時間が長いほど,そして加熱温度が高いほど酸化物(TGO)層の成長量は大きい.また,加熱時間50000sあたりから加熱時間に対するTGO層の成長量は減少した.
(1)-b)平均せん断応力は加熱時間が50000s過ぎまで上昇し,それをピークに減少していく傾向が見られる.
(1)-c)はく離率は50000s過ぎをピークに上昇し,その後減少していく傾向があり,加熱温度が高いほど,はく離率が低い.
(1)-d)本実験の条件では,付着強度はTGO層厚さよりも,相互拡散による界面強度上昇およびTCの強度低下に影響を受けると考えられる.
(2)-a)き裂の発生は温度によって中間層BCから生じる場合(400℃以下)と表面層TCから生じる場合(700℃程度以上)がある.これの原因はBCの延性特性の変化が要因であろう。
(2)-b)はく離の発生はTCに生じた垂直き裂によってできた島状の部分から生じる.
(2)-c)はく離は基材のクリープ伸び変形の増大によって発生すると考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluations of Strength of Thermal Sprayed Coating for Complex Loading2010

    • 著者名/発表者名
      金子堅司・大森明
    • 雑誌名

      Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering 4

      ページ: 264-273

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Study on Shear Fatigue Fracture and Delamination Mechanism of Thermal Barrier Coatings After Thermal Loadine2010

    • 著者名/発表者名
      金子堅司・高藤聡・榎本和城
    • 雑誌名

      Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering 4

      ページ: 315-324

    • 査読あり
  • [学会発表] 熱負荷を受けた遮熱被膜のせん断疲労破壊とはく離機構に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      金子堅司・高藤聡・榎本和城
    • 学会等名
      日本機械学会 第17回機械材料・材料加工技術講演会
    • 発表場所
      富山・国際会議場
    • 年月日
      20091100

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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