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2009 年度 実績報告書

生体組織の力学的適応におけるコラーゲン原線維と線維間物質の力学的相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20560092
研究機関立命館大学

研究代表者

山本 憲隆  立命館大学, 理工学部, 教授 (40210546)

キーワードバイオメカニクス / 力学的性質 / 微細構造 / 力学的適応 / 腱 / コラーゲン / 原線維 / 線維間物質
研究概要

腱や靭帯は直径100~500μmのコラーゲン線維束,直径1μm程度の線維,直径50~500nmの原線維の順に小さくなり,最終的に直径1.5nm,長さ300nmのコラーゲン分子に至る.また,線維束は多数の線維や原線維とそれらの間を満たしているプロテオグリカンなどの線維間物質で構成されている.このため,腱や靭帯の力学的反応を把握するには,これらマイクロ・ナノレベルでの構造と力学的性質の関係を明らかにすることが重要である.そこで本研究では,マウスの尾腱を微細構成要素に分解して,それら構成要素の力学的性質と構成要素同士の力学的相互作用について検討し,以下のことを明らかにした.
1.マウス尾腱より摘出した原線維を,マイクロ針に巻きつけた後,コラゲナーゼ溶液に浸漬した.その後,原線維が破断するまで針を動かして引張試験を行った.その結果,30分間浸漬した原線維では,最大荷重(破断荷重)が有意に減少し,生理食塩水に浸漬したコントロールの23%になった.また,コラゲナーゼ溶液浸漬前後で,原線維の微細構造の変化を原子間力顕微鏡を用いて観察した.その結果,コラゲナーゼによりコラーゲン分子が切断されて,規則的な周期構造が破壊されることが明らかになった.
2.4,9,15週齢のマウスを用いて,尾腱より摘出したコラーゲン原線維の引張試験を行なった.直径が大きくなると引張強度が有意に小さくなり,週齢が大きくなると引張強度が有意に大きくなることが明らかになった.ただし,直径の影響に比べて週齢の影響はかなり小さいことがわかった.一方,破断ひずみには,有意な変化は現われなかった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 成長過程にあるマウス尾腱より摘出したコラーゲン原線維の力学的性質2010

    • 著者名/発表者名
      山本憲隆, 西面知弥
    • 雑誌名

      日本機械学会第22回バイオエンジニアリング講演会講演論文集

      ページ: 264

  • [雑誌論文] Mechanical Properties of Collagen Fibrils Obtained from the Fascicles of Mouse Tail Tendons2009

    • 著者名/発表者名
      Noritaka Yamamoto, Kazunari Sugiura
    • 雑誌名

      Proceedings of 3rd Switzerland-Japan Workshop on Biomechanics 2009

      ページ: 34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 水晶振動子マイクロバランス(QCM)と原子間力顕微鏡(AFM)によるコラーゲン原線維の再生過程の解析2009

    • 著者名/発表者名
      山本憲隆, 他
    • 雑誌名

      日本機械学会2009年度年次大会講演論文集(5)

      ページ: 11-12

  • [雑誌論文] マウス尾腱より摘出したコラーゲン原線維の微細構造と力学的性質に及ぼすコラゲナーゼの影響2009

    • 著者名/発表者名
      植本真妃, 山本憲隆
    • 雑誌名

      日本機械学会第20回バイオフロンティア講演会講演論文集

      ページ: 17-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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