研究概要 |
近年の電子・光学機器には,高精細画像を得るために非球面レンズを搭載する場合が多くなってきている.非球面レンズでは収差を生じないため,これまで複数枚の球面レンズを使用していたところ1枚の非球面レンズに置き換えることが可能となる.そのため,製品の小型・軽量化が可能となる.しかし,非球面レンズはその形状が複雑なため研磨加工が難しく,非球面形状の創成が容易な形状造形性に富む研磨工具の開発が望まれている 本研究では,ゼラチン等を結合剤とした精密研磨用弾性砥石の開発および加工性能の解明を試みる.ゼラチンは濃度,冷却方法・時間および添加物などで容易に硬度や融点をコントロールすることが可能である.そのため,多様性に富む弾性砥石の作製が期待できる.本研究で提案する砥石は,被削材と砥石の界面に発生する摩擦熱等によって砥石表面(結合剤)が極少量ずつ溶融し,スラリー状(砥粒混濁液)となり,精密研磨を可能とする全く新しいタイプの砥石である.本研究では,砥石の組成および加工条件について詳細な実験を行い,提案する砥石の加工性能を明らかにする.また,リサイクル性についても検討する
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