研究概要 |
本研究はダイナミックに変動する市場環境下において製造業が柔軟に対応できる新しい持続可能な生産システムとしてICT化が進みユビキタスな環境下にある生産システムの構築・運用に関する知見を得ることを目的としている.本年度は昨年度までの研究を発展させると共に取り纏めを進めた. (1)生産システムにおける自律的運用法に関する研究 持続可能な生産システムの実現のためにはダイナミックに変化する需要動向とそれに伴って変化するシステム構成に柔軟に対応できるスケジューリング手法が必要となる.自律的運用法としての単純なオークションだけでなく組合せオークションの適用や,協調分散型スケジューリングのためのラグランジュ分解による最適化手法の適用などについて検討した.また,自律的運用にかかわらず生産システム全般において生起する多様なスケジューリング問題についても研究を進めた. (2)実仮想融合生産システムに関する研究 生産システム構成に柔軟に対応しつつ効率的な運用を実現する基盤として,実仮想融合生産システムの構成法,運用への適用について研究し,成果を得た.また,ICT化の進んだ生産システムにおいて個々の機械をシミュレーションエージェントとする超分散シミュレーション技法について基礎的検討を行い,自律的運用法の導入に関する手がかりを得た. (3)環境適合性を考慮した国内外における物流経路探索に関する研究 炭酸ガス排出量から見た環境適合性を中心として国内外における最適物流経路の探索に関する研究を遂行し,成果を得た. これらの成果は,学術論文として公表すると共に国際会議,国内の各種学会において発表した.
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