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2009 年度 実績報告書

硬質砥粒とメカノケミカル砥粒との複合砥石における研削機構モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20560119
研究機関関西大学

研究代表者

山口 智実  関西大学, システム理工学部, 教授 (10268310)

研究分担者 樋口 誠宏  関西大学, システム理工学部, 教授 (50067732)
小田 廣和  関西大学, 環境都市工学部, 教授 (30067756)
島田 尚一  大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20029317)
古城 直道  関西大学, システム理工学部, 助教 (80511716)
キーワード超精密加工 / 超砥粒砥石 / 超仕上 / メカノケミカル / 複合砥粒砥石 / ガラス / 酸化セリウム / ダイヤモンド
研究概要

今年度は以下の3つの成果を得ることができた。
1.鋼(軸受鋼)の超仕上に対する複合砥粒砥石CeO_2-cBN砥石の性能評価を行った.本砥石では,CeO_2砥粒によりメカノケミカル(MC)反応により鋼表面に酸化膜を形成しcBN砥粒で除去する形態をとることがわかった.したがって,その効果により,従来のcBNのみの砥石に比べ,i)表面残留応力が小さい,ii)加工変質層が薄い,iii)負の歪度をもつ粗さの小さい表面が生成できる,といった特徴を有することから,従来のcBN砥石より軸受面の仕上面生成には適していることがわかった.
2.同じく軸受鋼の超仕上に対する複合砥粒砥石BaSO_4-SD砥石の性能評価を行った.本砥石では,硬質砥粒として超微細のダイヤモンド砥粒を用いている.周知のように,ダイヤモンドで鋼を加工するとダイヤモンド中の炭素が鋼へ拡散することにより,他の材料に比ベダイヤの損耗が激しいために一般には避けられる.しかし,先の課題でも明らかになったように,MC砥粒は鋼表面を酸化するので,ダイヤモンド砥粒は鋼の酸化面を除去することになり,その分損耗が抑制されるのではないかと考え超仕上実験を行った.実験の結果,SDのみの砥石に比べSD砥粒の損耗は抑えられ,かつSDとほぼ同等の加工性能を得ることができた.
以上のように,複合砥粒砥石では,ガラスのみならず鋼においても,MC砥粒単独の砥石よりも高能率で,しかも硬質砥粒単独の砥石に比べ表面特性の良好な加工面が生成できることがわかった.また,従来鋼に使用できなかったダイヤモンド砥粒も複合砥粒砥石では適用できることがわかった.
3.複合砥粒砥石における研削機構モデルの構築では,複合砥粒砥石の構造モデルおよび作用面トポグラフィモデルの構築を行った.特に,トポグラフィモデルにおいて,従来のフラクタル描画法に改良を加え,cBN砥粒とCeO_2砥粒の作用面上での分布が実砥石のそれに近くなるようすることができた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 鋼の超仕上におけるダイヤモンド砥石の摩耗抑制2010

    • 著者名/発表者名
      古城直道, 樋口誠宏, 山口智実, 杉本隆史, 島田尚一, 寺内俊太郎, 松田茂敬, 松森昇, 尾倉秀一
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集C編 76

      ページ: 777-783

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セリアを含むメカノケミカル超砥粒砥石の超仕上特性2009

    • 著者名/発表者名
      古城直道, 樋口誠宏, 山口智実, 山野隆章, 松森昇, 尾倉秀一
    • 雑誌名

      砥粒加工学会誌 53

      ページ: 499-503

    • 査読あり
  • [学会発表] Mechanochemical Superfinishing of Optical Glass -Scratchless Surface Finishing Process-2009

    • 著者名/発表者名
      Naomichi Furushiro, Masahiro Higuchi, Tomomi Yamaguchi, Noboru Matsumori, Hidekazu Ogura, Shoichi Shimada
    • 学会等名
      American Society for Precision Engineering 2009 Annual Meeting
    • 発表場所
      Monterey, California, USA
    • 年月日
      2009-10-07
  • [学会発表] 3D Structure and Surface Topography Models of the Mechano-chemical Composite Grinding Wheel by Fractal Modeling Technique2009

    • 著者名/発表者名
      Tomomi Yamaguchi, Masahiro Higuchi, Naomichi Furushiro, Hirokazu Oda, Shoichi Shimada, Noboru Matsumori, Hidekazu Ogura
    • 学会等名
      American Society for Precision Engineering 2009 Annual Meeting
    • 発表場所
      Monterey, California, USA
    • 年月日
      2009-10-07
  • [学会発表] 鋼の超仕上におけるダイヤモンド砥石の摩耗抑制の試み2009

    • 著者名/発表者名
      平嶺雄, 古城直道, 樋口誠宏, 山口智実, 松田茂敬, 土井研児, 寺内俊太郎, 松森昇, 尾倉秀一
    • 学会等名
      2009年度精密工学会秋季大会学術講演会
    • 発表場所
      神戸大学, 兵庫
    • 年月日
      2009-09-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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