研究概要 |
1.転がり―滑り摩擦試験機の摩擦力測定精度の改良 開発した摩擦試験機の摩擦力測定機構をひずみゲージ式から微小変位測定方式に変更した.DCモータの駆動電流測定に基づくトルク(摩擦力)測定や渦電流式変位測定も検討したが,総合的に静電容量微小変位測定方式は,以下の点で優れていた.すなわち,(a)正負の摩擦力測定が可能,(b)ノイズが小さい,(c)氷結路面上のタイヤの摩擦係数μより小さい鉱油潤滑下の摩擦測定(垂直荷重14N)において,μ=0.01相当の摩擦力測定が可能,という点てあった. 2.真実接触面積測定における統計的解析法の検討 真実接触面積を統計的に抽出する新たな手法として,取得した光誘起蛍光画像の輝度ヒストグラムへのガウス分布フィッティングを検討した.形状が明確なPMMA光学レンズを使用した場合,低輝度側輝度ヒストグラムより抽出した真実接触面積はヘルツ理論値にほぼ一致する傾向を示した.一方,粗面化したPMMA光学レンズの場合,複合ガウス分布により抽出する必要があり,輝度ヒストグラムの微分等による分布波形の分離を試みた.この試みはWorld Tribology Congress 2009で発表した. さらに,光干渉画像に対してではあるが,背景補正の輝度ヒストグラムに及ぼす影響を検討し複合ガウス分布への有効性を確認したので,今後,本光誘起蛍光画像への適用可能性が示された. 3.実験環境の整備 低温下の実験環境構築のために,冷凍冷蔵庫等の設置を行った.
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