| 研究概要 |
(1)ねじ山らせんモデルによる疲労強度の評価
1)らせんに沿ったねじ谷底応力振幅の評価2枚の中空円筒を1本のボルトで締結した簡単な構造物を対象として,ねじ部のらせん形状を完全に再現した有限要素モデルを作成し,軸方向外力を受けたときのねじ谷底に沿った応力振幅を求めた.その結果,最大応力振幅の発生位置は外力の大きさによって変化するが,被締結体界面が完全分離の状態に近づくと,ボルト第1ねじ谷底で最大応力振幅が発生することを明らかにした.
2)ねじ谷底応力基準の疲労強度評価ボルトねじ谷底に発生する最大応力振幅とボルトの軸力変化から求めた平均応力振幅の比を求め,疲労強度が問題となるような大きな繰り返し外力を受ける場合,両者の比は外力の増加に伴って一定値に近づくことを明らかにした
(2)ねじ部の塑性変形を考慮した疲労強度評価
1)ねじ谷底の局所降伏を考慮した応力振幅の評価ねじ山のらせん形状の影響を考慮することを目的として,各節点の自由度が3であるボルト締結体の軸対称FEMモデルを対象として,トルクで締め付けた時の弾塑性挙動を解析できるプログラムを作成し,締め付けトルクと塑性域の進展の関係を明らかにした.その状態に対して軸方向外力を負荷することにより,ねじ部の応力振幅を体系的に評価した.
2)ねじ谷底の局部降伏を考慮した疲労強度評価ねじ部の形状を考慮した有限要素モデルを用いて,高いトルクで締め付けたボルトが外力を受けた場合の挙動を解析した結果,ねじ谷底の応力振幅が塑性変形によって低下することを明らかにした.
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