研究概要 |
(5)多数ボルト締結体の効率的で安全な締め付け手順の検討 1)ボルト軸力のばらつきの高効率な解析手法の提案 管フランジを対象として,ボルトを運次締め付けた時に弾性相互作用により発生するボルト軸力のばらつきを求め,従来の解析結果,実験結果と比較することにより有効性を確認した.またこの手法を矩形フランジに応用して,ボルトを逐次締め付けた時に発生する軸力を求めた結果,ばらつきは目標値の数%以内であることを明らかにした 2)数値解析による最適なボルト締め付け手順の解析 同じく管フランジを対象として,ボルトを逐次締め付ける場合を対象として,最終的なボルト軸力が一様となるような初期ボルト軸力を求め,従来の結果と比較することにより有効性を確認した.以上の結果,多数ボルト締結体におけるボルト軸力のばらつき,最適な締め付け手順を汎用構造解析コードで求めることができる手法を完成した (6)締結部の包括的なリスクアナリシス手法の確立 上記の「多数ボルト締結体の効率的で安全な締め付け手順の検討」に加えて,平成20年度,21年度に実施した「ねじ山らせんモデルによる疲労強度の評価」,「ねじ部の塑性変形を考慮した疲労強度評価」,「接触熱抵抗を考慮した締結部の熱及び力学挙動の評価」,「接触面剛性を考慮したボルト締結体の固有振動特性の評価」の成果を合わせることにより,ねじ谷底の応力振幅と局部降伏,接触面の熱抵抗と剛性,締結部の固有振動,多数ボルト締結体の弾性相互作用を考慮した,ねじ締結部の破損・破壊に対する包括的は一リスクアナリシス手法を確立することができたといえる
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