研究概要 |
本研究では,微細円錐状突起物のアンカー効果利用してスパッタ薄膜のはく離強度を向上させることを試みた.工具鋼基板(JIS:SKH51)表面を種々の条件でスパッタエッチングして円錐状突起物を形成させ,エッチング条件と突起物形状の関係を調べた.その結果,突起物の高さおよび半径は,エッチング時間,出力,および真空度により制御可能であることを明らかにした.また,円錐状突起物を形成させた基板上にヘリコンスパッタ装置を用いてアモルファスSiC薄膜を形成し,はく離強度をマイクロエッジインデント法により評価した結果,はく離強度は,微細突起物の寸法・密度により変化することを明らかにするとともに,最適な条件においてはく離強度を大きく向上させることに成功した.
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