研究課題
超音速流を用いたTEAレーザの開発を通して、超音速流とレーザ動作の相互関係を明らかにすることが本研究の目的である。レーザガスとしてCO_2/N_2/Heの混合ガスを用いて炭酸ガスレーザ動作を試み、超音速流中でのレーザ励起放電の安定化やレーザ小信号利得係数などを詳細に評価した。また、超音速流の発生に伴う断熱膨張によるガス温度降下を積極的に利用したレーザ小信号利得計数の向上についても検討した。本年度は、(1)CO_2分子の凝結により引き起こされるレーザ励起放電の劣化の貯気ガス加熱による改善、(2)レーザ小信号利得計数の貯気ガス温度依存性、(3)研究の成果公表およびまとめ、などを中心に研究開発を行った。(1)および(2)については、供試実験装置においてCO_2分子の凝結を回避できる365Kまで貯気ガスを加熱するとフィラメント状放電が減少し励起放電状態が改善されたが、レーザ小信号利得計数は1.8%/cmに留まった。若干のCO_2分子の凝結は危惧されるが貯気ガスの加熱温度を330Kに下げると、多少のフィラメント状放電が含まれるがレーザ動作に供することが十分に可能と思われるパルスグロー放電が発生した。このとき、レーザ媒質の温度は150Kまで降下しており、レーザ小信号利得計数は2.7%/cmまで向上させることに成功した。なお、常温では1.4%/cmであった。(3)については2件の論文公表を行った。さらに、研究期間中の成果を取りまとめ、査読付き論文の投稿準備や科学研究費補助金報告書の作成準備を行った。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (2件)
電気学会パルスパワー/放電合同研究会資料
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Proc. XVIII Int'l Symp. on Gas Flow and Chem. Lasers & Hieh Power Laser Conf.
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