研究概要 |
固液混相流体やマイクロバブルを含む容器内の気液二相流体についても超音波を照射すると内部に音響流が生じる.この現象を利用すると,外部からの超音波照射を内部の局所に集中させれば,混相流体の局所に流れを起こすことができると考えられる.外部からの超音波照射は,マイクロマシン内部の混相流体の駆動・混合等に利用できる.本研究は,これらの音響流の基礎特性を明らかにすることを含め固液混相流体やマイクロバブルを含む気液二相流体の基本的現象及び基礎的な検討を行うことを目的としている.本年度については,音響流に及ぼす諸因子の影響を測定し考察した.水平方向に設置された円筒容器内に微粒子を混ぜた水を満たし,円筒容器の端面(円形壁)につけた超音波用振動子を使って,固液混相媒体に周波数(98kHz,500kHz)の超音波を水平方向に照射した.超音波の照射方向(水平方向)をZ軸方向とすると,この進行波によってZ軸方向に音響流ができた.異なる種類の粒子,粒子濃度,照射時間などの音響流に及ぼす影響を明らかにした.一方,矩形形状で上部が大気解放されている容器内のマイクロバブルを含む液に対して端面(側壁)の円形振動子から超音波を時間に対してステップ状に照射すると,超音波の複雑な指向性のために一次元ではない非定常な流れが観察できた.
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