| 研究概要 |
本研究は,対向噴流に特有な噴流揺動の発生機構を解明し,その混合促進機構を明らかにすることを研究目的とする.このために,瞬時分離流線の不規則変動と噴流軸の半径方向揺らぎとの関連を実験的に調べ,また,実験と平行して数値解析を行い揺動機構の解明に役立てる.研究初年度であることから,まず,速度と噴流断面濃度場の同時計測システムの開発に必要な機器を購入した.さらに,噴流軸を含む二次元面内での速度濃度相関の分布を調べ,基礎的資料の蓄積を図った.以上の結果,本年度は以下の研究実績が得られた.
1.瞬時分離流線と断面濃度場の同時計測
本同時計測システムの構築に必要な性能・仕様をもつデュアル発光YAGレーザの機種選定を行い,デモと動作テストを経た上で機器を決定し,新規購入した.併せて,ビーム光をシート状にするための光学機器も購入し,システム構築の準備を整えた.デモと動作テストを加えた機種選定に時間が取られ,システムの完成には至らなかったが,残った作業量は軽微である.また,既存の設備を利用して,対向噴流の噴流軸を含む二次元面内における速度場と濃度場との同時計測実験を行い,よどみ点近傍での速度-濃度相関の特性を調べ,学会で発表した.これらの結果は,本研究目的を達成する上で有用な基礎的資料となる.
2.対向噴流の数値解析モデルの確立
圧力修正法を利用してナビアストークス方程式を数値的に解くプログラムコードの開発を行った.離散化には差分法を用いた.利用した計算機の処理能力の都合から,低レイノルズ数の二次元流れに限定し,まず,二次元平行平板間に噴出される二次元噴流による流れの計算を行った.得られた結果は,従来の実験や計算結果とよく一致したことから,開発したコードの信頼性を確認した.今後,本開発コードを対向噴流場に拡張する予定である.
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