ディーゼルエンジンの排気物質低減のため、燃料噴霧の微粒化が求められており、高速・高密度の微粒子を定量的に計測できる計測装置の開発が必要とされている。本研究では、焦点構造をマイクロプローブ構造としたレーザ2焦点流速計を光バンドルファイバにより構成し、多点化することにより、燃料噴霧の粒子遠度および粒子径を空間的に計測できるシステムを開発するものである。 当該年度では、レーザ射出用ファイバおよび散乱光検出用ファイバ群を一本のバンドルファイバとして設計し試作を行った。ファイバ端に非球面レンズを取り付け、2焦点構造の形成を確認した。また、焦点部分に粒子が通過した際の散乱光が、散乱光検出用ファイバ群を通過して検出できることを確認した。光バンドルファイバにょり光学系が構成できることを確認したので、バンドルファイバを多数製作することにより多点計測システムを実現できる見通しがついた。また、データサンプリング処理装置としてFPGAを用いた。2焦点を通過する際の散乱光はデジタル化され、クロック480MHzのクロックにて飛行時間および散乱光発光時間がカウントされる。粒子データはFPGAへ直結されたSSRAMへ保存され、最大サンプリングレートは15MHzまで達することを確認した。粒子データをFPGAによりカウントするという独創的な計数システムにより、従来のデータフローにおけるボトルネックが解消し、高速・高密度粒子群に適したサンプリングシステムを実現した。
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