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2009 年度 実績報告書

動的ぬれおよび微量液体の運動制御法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560165
研究機関大阪市立大学

研究代表者

加藤 健司  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10177438)

キーワード表面・界面物性 / 接触角 / マイクロマシン / 動的ぬれ / 液滴 / 毛細管
研究概要

本研究は,固体と液体の接触角が移動速度に依存する動的ぬれの問題を明らかにするとともに,微小液滴の運動制御法を構築することを目的としている.前年度の毛細管内液柱の運動に関する実験結果を参照して,接触角の速度依存性を説明する理論的モデルの構築を行った.接触線が固体面上に存在するあらさなどの欠陥部にトラップされた後,解放されて有限速度で移動するスリップ運動に着目し,その運動時における粘性応力を算出した.接触線における粘性応力発散の問題を回避するため,欠陥部のスケールの分だけ接触線が変位し,気液界面がわずかに上に凸となる形状を仮定した.接触線近傍に作用する固気・固液ならびに気液界面張力と粘性力との釣り合いより,動的接触角を算出した.欠陥部の全表面に占める面積比を適当に仮定した結果,接触角の速度依存性に対し,実験値とよく一致する結果を得ることができた.
固体面上の微小液滴(1μL)を移動制御する新たな手法について検討を行った.壁面上の液滴を移動させる場合,接触角履歴の大きさに依存する表面張力の抵抗が問題となる.まず,超音波振動子により,周波数28kHzで数μmの振幅をもつ振動をSAMs(自己組織化単分子膜)壁面に与えた.その結果,接触角履歴を10゜以上低減でき,液滴の転落角度の測定から,移動の抵抗力を80%減少させることができた.振動を与えた状態で,液滴の一端に出力10~200mWのレーザー光を照射した.レーザーによる加熱の効果により,照射端のぬれ性が改善され,接触角が5゜程度減少する現象が観察された.その結果,表面張力の合力が発生し,液滴はレーザー照射端の方向に移動することが確認できた.本実験において,最大で0.6mm/sの速度で液滴を移動させることが可能であった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 回転円盤上の液滴の挙動に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      加藤健司, 他3名
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集,B編 75

      ページ: 796-803

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 垂直円柱壁面に付着した液滴の転落体積2009

    • 著者名/発表者名
      西田達史, 加藤健司, 脇本辰郎
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集,B編 75

      ページ: 2273-2279

    • 査読あり
  • [学会発表] New Optical Method to Measure Slight Difference of Contact Angle2009

    • 著者名/発表者名
      T.Wakimoto
    • 学会等名
      4th Int. Symposium on Advanced Fluid/Solid Science and Technology in Experimental Mechanics
    • 発表場所
      新潟市朱鷺メッセ
    • 年月日
      2009-11-30
  • [学会発表] A Study on Capillary Flow under the Effect of Dynamic Wetting2009

    • 著者名/発表者名
      S.Nitta
    • 学会等名
      4th Int. Symposium on Advanced Fluid/Solid Science and Technology in Experimental Mechanics
    • 発表場所
      新潟市朱鷺メッセ
    • 年月日
      2009-11-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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