研究課題
本研究の目的は、VCADシステムにおけるKitta CubeおよびOctree構造データを直接用いた、格子作成が不用となる3次元非圧縮性粘性流体の新しいシミュレーション技術を確立し、形状記述性とロバスト性に優れた(VCADシステムに対応した)高精度流体解析ソフトウェアを開発することである。平成22年度には都市建築物の風環境および災害インパクトを評価するCFDシミュレーション手法を構築するため、1.都市建築物をシミュレーションするための格子生成技術、2.市街地環境ファクターを考慮した乱流モデル、3.竜巻や旋回強風を生成するための数値境界条件、4.都市建築物の風環境を評価する方法などの要素技術をCFDソフトウェアV-Flow3Dに取り入れるように開発してきた。本研究では、1.VCADに基づくカットセル直交格子を使うことにより、都市高層ビル周りの強風災害を評価するための高品質な格子が自動的に生成できること。2.これまで考慮できなかった接地境界層の地表面粗度を考慮し、ダイナミックLESによる非定常流れ場の計算を行い、強風災害のインパクトを精度よく評価できること。3.市街地における旋回風による災害やウォーク汚染を評価し、人々の健康を守るのに貢献できることに関して、一定の研究成果が得られた。また、VCADシステムに基づくマルチスケール流体解析技術の開発に関して、平成21年度の研究成果であるV-DSMC2Dの開発を踏まえ、希薄気体予測に適応する3次元ソフトウェアV-DSMC3Dを開発した。開発したV-Flow3D及びV-DSMC3D等のソフトウェアを用いて、都市のビル風環境の数値シミュレーションや、MEMS部品の性能評価に試み、環境保全問題および製品性能評価に適用してみた。V-Flow3D Version1.0ソフトウェアが2010年10月8日に、V-DSMC2D Version1.0-ソフトウェアが2010年2月16日に理化学研究所のWebページを通して一般公開されていた。以上の研究成果が10回の学会講演会で発表し、一部の研究成果が学術雑誌に投稿し、6篇の査読つきの論文が掲載された。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
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巻: (In press)
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http://www.riken.jp/vcad/