研究概要 |
水平平板やねじり発熱体における種々ガス(ヘリウム,二酸化炭素,アルゴン,窒素)の強制対流非定常(過渡)熱伝達について実験的に調べ,ガスの種類による影響を考察した。実験は,系圧力が400 kPaから800 kPaまで,指数関数状上昇する熱入力の周期が45msから17s,流速が1m/sから10m/s,温度が313Kから353Kまでの範囲で行った。ヘリウムガスの熱伝導率が二酸化炭素ガスより8倍程度高いことより.熱伝達係数も高いことが解った。種々圧力・温度条件下の実験データに基づいて,種々ガスの準定常熱伝達及び非定常熱伝達の実験式を求めた。一方,発熱体の形状による影響を調べるため,ねじり発熱体のねじり角度を45°,90°とした場合の実験データを取得した。平板の場合と比べ,ねじり発熱体の熱伝達係数がガスの種類によるが13%~28%高いことが解った。実験データより種々ガスにおけるねじり発熱体の伝熱促進効果が判明した。 理論解析では,k-εモデルを本研究対象に適用し,発熱体内部の発熱率が種々の上昇周期で指数関数状に上昇する際の強制対流非定常熱伝達の数値解析を行った。発熱体表面における流速分布及び温度分布を数値解析した。解析結果より発熱体の表面温度は時間と共に急激に増加していることが解った。また,ねじり発熱体近傍の流速及び温度分布などを解析し,ねじり発熱体における二次流れが発生すること,発熱体中央部分では最大25%局所流速が増加したこと,そして発熱体表面の温度分布がほぼ均一であることが解った。理論解析及び実験データに基づき,非定常熱伝達過程に影響を及ぼす流速分布及び温度分布に関する知見を得た。
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