研究概要 |
本研究では,火炎伝ぱにより圧縮される未燃予混合ガスでの自着火発生メカニズムならびにズス生成メカニズムを詳細に把握することを目的としている.ここでは,ノッキング燃焼および圧力振動を伴うHCCI燃焼を再現した.高速度カラーカメラを用いることでノッキング時の輝炎の発生位置および時期を検出した.さらに圧力波の可視化によって圧力波とスス生成との関係を検討した.これにより,以下の知見を得た.(1)自着火が発生してもノック強度が大きくない場合には輝炎は観察されずススは生成されていない.(2)ノッキング時の輝炎発光は圧力波によって潤滑油やその他不純物や隙間部で顕著に存在する壁面消炎層中の燃料が剥離・燃焼したものであると考えられる. (3) HCCI燃焼における輝炎もまた火花点火機関におけるノッキング同様,圧力波によるピストン頂面近傍の未燃の燃料や不純物の剥離・燃焼によるものであると考えられる. さらに,水素を燃料として同様の機関により自着火を発生させ,ノッキング時に生じる圧力波の様子を観察した.これにより,以下の知見を得た.(1)圧力波は,火炎伝播により圧縮された未燃予混合気中で発生した自着火位置より発生している.(2)発生した圧力波は,最初音速よりも速い2000m/s程度で伝播し,シリンダ中央付近で音速に近づく.また,ノッキング強度が強い場合,初期圧力波速度も速くなっている,
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