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初年度となる本年度は、一般的な火炎サイズでの層流燃焼速度SLOを揃えた燃料-酸素-窒素人工空気混合気を主な対象とし微小球状伝ぱ層流火炎の燃焼特性を明らかにした。
水素を燃料とした実験では、SLO=25cm/sで当量比φを0.3〜1.2とし、さらにSLOを15cm/sでφ0.3〜0.9とSLOを35cm/sでφ0.3〜1.2の広い範囲の混合気を使用し、半径5mm以下の微小火炎および5mm以上のマクロ火炎を連続シュリーレン撮影法により観測を行った。その結果、SL0によらずφが0.7〜0.9程度では他のφとは異なり、一般的な火炎サイズであるマクロ火炎で得られた結果の延長線上では、微小火炎の燃焼速度SLI特性が議論できないことを明らかにした。即ち、本実験範囲ではφ0.9より小さいと、SL1は火炎サイズが微小なほど増加する傾向を示すが、φが0.7〜0.9では、SL0によらず、あるサイズより微小になるとSL1が減少へ転ずることがわかった。さらに、カーロビッツ数Kaを用いた火炎伸長の検討からは、このSL1の傾向が変化するKa値は、SL0には依存しない様子が観察された。
また比較のために燃料にメタンを用い、SL0=25cm/sでφが0.8〜1.0の混合気を検討した。
その結果、上述の水素を燃料にした場合と異なり、本実験範囲では、概ね微小火炎の燃焼速度特性はマクロ火炎での結果の延長線上で議論することができることがわかった。さらに、メタンの場合、水素と異なり、希薄混合気でも火炎サイズが小さいほど燃焼速度は低下することを明らかにした。これらの結果から、希薄混合気では、メタン火炎は水素に比べて、高伸長場での燃焼特性の観点からも、超小型燃焼器内での燃焼に適さないことがわかる。
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