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2011 年度 実績報告書

水素生成のための尿素エネルギーシステムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560199
研究機関工学院大学

研究代表者

雑賀 高  工学院大学, グローバルエンジニアリング学部, 教授 (20146731)

キーワードアンモニア / 尿素 / 水素生成 / 燃料電池 / リサイクルエネルギー / 低濃度アンモニア除去 / ポータブル電源装置 / ウレアーゼ
研究概要

水素キャリアとしてアンモニアを用いた方法が研究されている.水素に比べて容易に液化し,液化時の単位体積当たりのエネルギー密度が高いといった利点がある.また適切な触媒を用いることで,加熱によって窒素と水素に分解することができる.しかし,空気中のアンモニア濃度が25ppmを超えると人体に危険性が出てくるなど,強い毒性を持った物質である.そこでアンモニアを含む化合物として尿素に着目し,尿素を用いる水素エネルギーシステムを提案した.また本研究では尿素をアンモニアに分解する酵素を用いることで,低エネルギーでのアンモニア発生を検証し,生体触媒である酵素を固定化することでシステムの有用性向上手法について検討を行った.
尿素は熱により容易にアンモニアに分解することができるが,尿素の加水分解に180℃以上の高温を要する.そこで,より低エネルギーで尿素をアンモニアに分解する方法として,酵素であるウレアーゼを用いた加水分解反応を実験にて検証した.酵素の活性因子として,反応器内の温度,pH,水溶液濃度が重要であるが,ウレアーゼの最適活性条件を温度40℃,尿素水溶液濃度10mass%であることを実験にて確認した.またRO膜を用いて酵素の固定化を行ったところ,発生量上限を2000ppm,5000ppmとして実験し,2~3日間程度は酵素の活性が十分に保たれており,その期間であればRO膜を用いた膜型による酵素固定化が可能であった.それ以降に酵素の活性が保てない理由としては,ウレアーゼは保管温度37℃では徐々に失活してしまうためであり,膜型による固定化は,容易な固定化方法としては有望であるが,酵素の失活を防止することはできないと考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

尿素を加水分解しアンモニアを発生させるための最適化を行うために,使用尿素種類,使用溶解水種類,尿素水濃度,加水分解温度変化等の様々な実験によって,最大アンモニア発生量および発生時間最適化条件を確認できたので,おおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

今後は,これまで廃棄していたアンモニアや尿素を,様々な原料(廃プラスチック,ヒトや家畜からの直接回収,下水道等からの間接回収)からの回収可能性,およびアンモニア燃料タンクと水素生成装置を搭載した,家庭用燃料電池や燃料電池軽自動車等へのアプリケーションシステムとしての実現可能性について検討していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 尿素を原料とするアンモニア燃料水素エネルギーシステムの研究(続報)-酵素触媒による尿素加水分解およびアンモニア分解による水素生成-2011

    • 著者名/発表者名
      野原徹雄、雑賀高
    • 雑誌名

      日本エネルギー学会誌

      巻: 90巻9号 ページ: 895-904

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ウレアーゼ」新しいバイオ燃料変換マテリアルとしての可能性2011

    • 著者名/発表者名
      雑賀高
    • 雑誌名

      マテリアルステージ

      巻: 11巻9号 ページ: 9-11

  • [学会発表] 尿素を燃料とする水素エネルギーシステム(第3報)2011

    • 著者名/発表者名
      浜野友紀, 野原徹雄, 雑賀高
    • 学会等名
      第20回日本エネルギー学会大会
    • 発表場所
      関西大学千里山キャンパス
    • 年月日
      2011-08-09

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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