研究概要 |
アンモニアは水素との間で相互変換が可能であり,常温で加圧すれば直ちに液体になるので,アンモニアを水素キャリアとして用いる方法がある。アンモニアは,理想的に分解すれば水素と窒素のみが生成され,燃料電池からの排気は水と窒素なので,環境負荷が小さい。また,高圧水素タンクに比べて燃料タンクの小型化が可能であり,液化圧力がアンモニアに近いLPGの技術や既存のインフラを応用できるなどの利点もある。 しかし,アンモニアは毒性があるので,安全性に十分配慮する必要がある。これに対して,尿素は容易にアンモニアに変換でき,安全に取り扱うことができる。取り扱い上の資格も不要である。また,ディーゼルエンジン用のNOx 還元剤としての実績もある。そこで,本研究では燃料電池用燃料として尿素の基本特性を明らかにし,尿素をアンモニアに変換し,そのアンモニアから水素を生成する尿素エネルギーシステムの可能性を明らかにする。
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