研究概要 |
「外乱利用型制御系」の一種と見なせる「外乱消去型積分型制御系」に対する非標準的なループ伝達関数回復法による設計法の拡張に関する研究はほぼ予定通り進展した.新たに,出力側に加わる外乱を制御対象出力により相殺する最適制御系の構成について考察し,この設計法は標準的なループ伝達関数回復手法が必要とする条件を満たさないものの,簡単な修正を加えることにより,通常のループ回復関数回復手法の手続きをそのまま利用できることを見出した.制御対象が最小位相系である場合について,この結果をまとめ,国際会議で公表した.非最小位相関する結果も既に得られており,2010年に開催される国際学会へ投稿した.これらの結果では,外乱としてステップ状のものを仮定したが,より一般的な外乱モデルに対する結果も得られており,公表準備中である. 「外乱オブザーバ」に関して得られた結果は国内の学術誌に公表したが,さらなる拡張について考察中である.また,外乱利用型制御系の「適合制御系」設計への応用について考察し,その結果を国際学術誌に投稿中である.
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