研究概要 |
除振装置の振動制御の性能向上を図るため,加速度センサに代えて絶対変位センサのフィードバック応用を計画した.平成21年度では,以下の2項目を実施した. (1)除振台への絶対変位センサ実装 鉛直用の絶対変位センサ2台の周波数特性を整形した.具体的に,1~90Hzの周波数の範囲で振動を検出できるようにした.続いて,1軸鉛直用の空気ばね除振装置2台を機械的に連結する設計を行い,鉛直方向並進運動と鉛直面内の回転運動の2自由度を有する空気ばね式除振装置(VCM付き)に改造した。これに提案の絶対変位センサを実装した. (2) 2軸の姿勢・振動制御系の構築 2自由度空気ばね式除振装置に対しては,運動モードに基づく姿勢・振動制御系の実装が望ましい.この実現によって,提案の絶対変位センサが変位・速度・加速度の3振動を同時検出する特徴を活かせる.具体的には,Direct feedbackによる機械インピーダンスの操作である.平成21年度は,次年度の本格的な実機検証が可能なレベルまでの作業を完了させる計画であった.計画通りに,試作の絶対変位センサの基礎特性計測,除振台の安定な浮上までの調整作業,および除振装置の基礎特性の測定を完了させている.絶対変位センサの出力感度が低いため,3つのDirect feedbackの内,速度による機械インピーダンスの整形が不良という不具合はあるが,おおむね原理的な検証を終えることができた.次年度に向けて,絶対変位センサの検出帯域の拡大,フィードバック時の補償方法に対する改良点を見出すことができている.
|