研究概要 |
実際の疲労クラックの特性を代替できる実験検証用模擬クラック軸を作成し,実験によりその有効性と限界を調べた.また,その特性を精度良く表わす理論モデルを構築し,実証した. (1) 模擬オープンクラック軸(厚さ約0.1mmの放電加工溝)を作成した.様々な長さ,太さの軸に対して,同じ深さ・同じ位置でクラックを入れたものを昨年度までのものに加えさらに合計3本作成した.それらを自由支持で打突試験し,固有角振動数を求めた. (2) 3次元解析ソフトウェアを用いた固有振動数解析も行い,昨年度構築したオープンクラック部の未知パラメータの支配式についてさらなる理論的検証を行い,その妥当性を確認した. (3) 異方性の軸受で支持されたオープンクラック軸の回転中の固有振動解析手法と強制振動の解析手法を構築した.2種類のクラックモデルそれぞれについて実施し,それらが実験結果と一致することを確かめ,構築したオープンクラック軸の有限要素モデルの妥当性を確認できた. (4) 回転中に重力の影響でクラックが開閉するブリージングクラックのモデル化を行い,簡単な有限要素ロータモデルでその振動現象を検証した.また,このモデルを上記(3)と同様な理論解析に適用できるように改良した.
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