研究概要 |
現在,風車は大型化して,ブレードの長さが40mにもなるものがつくられている.このような長大なブレードが回転する風車の解析モデルを作成し,運動方程式をたてた.まず,自由振動を調べた.モデルのパラメータ値は,実際の風車と振動数がほぼ同じになるような値を採用した.重力の作用も考慮し,その方程式を解いて,ブレードの固有振動数とその振動モード回転速度によってどのように変化するかを明らかにした.ブレードが回転するとき重力の作用する方向が変化するため復元力が周期的に変動するので係数励振系となる.その作用も調べた.さらに強制振動と共振現象を調べた.風速は高度により変化するので,回転することによりブレードに作用する力が周期的に変化する.この周期的な風力を考え,発生する各種の共振現象を調べた.まず数値シミュレーションにより,発生する振動をしらべた結果.共振現象としては,調和共振と各種の超調波共振が発生した.つぎにそれぞれの振動について,線形理論解析により振動特性を解明した.ブレードのたわみが大きくなると,非線形の復元力特性が現れる.したがって,大振幅の振動については,非線形振動解析も行った.以上の解析結果を検証するため,実験装置を製作した.長い鋼製の薄い板を回転軸に取り付け,それがモータにより回転する.ブレードの寸法は,実際の風車と固有振動数がほぼ等しくなるように決めた.ブレードには送風機により風を当て,周期的な力を与えるようになっている.現在実験を実施中である.
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