研究概要 |
風車の解析モデルとして,今年度は1枚の弾性ブレードが回転するモデルを考え,非線形運動方程式を誘導した。解析にあたり,そのパラメータは,実際の風車と振動数がほぼ同じになるような値を採用した.まず自由振動を考え,ブレードの第一モードの固有振動数が,回転速度と振幅によってどのように変化するかを明らかにした.さらに高度により変化する風速を運動方程式中に考慮して,強制振動応答を調べた.その結果,調和振動の共振点が存在しないこと,しかし,ブレードの自重による係数励振効果とブレードが受ける風力の相乗効果によって,回転速度の整数倍の超調波振動が発生することを明らかにし,その振動特性を調べた.その結果,ブレードの振幅増大に伴い,非線形復元力の影響が現れて固有振動数が下がるため,応答曲線が低速側に傾く漸硬形になることを理論的に明らかにした. 実機に近い固有振動数をもつブレードで実験装置をつくり実験を行った.その装置では送風機により偏った風を当て,周期的な力を与えるようになっている.理論解析で明らかとなった超調波振動の発生を実験的に確認した.
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