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2008 年度 実績報告書

BTA深穴加工における振動発生メカニズムの解明と防止対策の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20560219
研究機関九州大学

研究代表者

松崎 健一郎  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80264068)

研究分担者 劉 孝宏  大分大学, 工学部, 准教授 (60230877)
宗和 伸行  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40304753)
キーワードBTA / ライフリングマーク / パターン形成 / 自励振動
研究概要

BTA深穴加工とは,ボーリングバーと呼ばれる細長い中空棒の先端に専用の工具を取り付け,工具または被削材を回転させながら送ることにより穴あけを行う加工法であるが,切削中に工具とボーリングバーが振動し,ライフリングマークと呼ばれるらせん状の模様が加工穴に形成される現象が発生している.本研究課題は,BTA深穴加工におけるライフリングマーク発生現象を時間遅れに伴う自励振動と考え,発生メカニズムの解明と防止対策の検討を行うものである.
本年度は,ボーリングバーを一様なはり,BTA工具を剛体として,工具の並進・回転変位による切削量の変動が一定時間をおいて切れ刃やガイドパッドと穴の接触力の変動を生じる時間遅れ系としてモデル化し,特性根を数値的に求めることにより,現象の特徴およびモデルの妥当性にっいて検討した.以下に,得られた主な結果をまとめる.
1.発生するパターンの角形数は,ほぼ整数となる.
2.パターンの不安定度は,工具の回転速度と角形数との積が系の固有振動数と一致する付近で極大となる.
3,奇数角形のパターンが発生し,偶数角形のパターンはほとんど発生しない.
4。切れ刃から約90度の位置にあるガイドパッドは,パターン形成現象にほとんど影響しない.
5.切れ刃のほぼ反対側に位置するガイドパッドは,偶数角形のパターン発生を抑制する働きがある.これらの結果は,工具を質点としてモデル化した場合の解析結果と概ね一致しているが,不安定領域や角形数の整数からのずれなど,若干特徴が異なる.これらは,工具を剛体と考えたことにより,切れ刃やガイドパッドの長手方向の長さが影響したためと考えられる.
また,ガイドパッドの追加による防止対策を提案し,BTA工具を質点として考慮したモデルに対する数値解析により,ライフリングマーク発生現象の防止に有効であることを確認した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] パッドの分布接触を考慮したBTA深穴加工におけるパターン形成現象の解明2008

    • 著者名/発表者名
      徳久篤弘, 他4名
    • 学会等名
      日本機械学会D&D2008
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2008-09-03
  • [産業財産権] 深穴加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法2008

    • 発明者名
      松崎健一郎, 他3名
    • 権利者名
      九州大学,国立高等専門学校機構
    • 産業財産権番号
      特許権,特願2008-334663
    • 出願年月日
      2008-12-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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