• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

超音波変調検出による異常診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20560220
研究機関九州大学

研究代表者

井上 卓見  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40274485)

キーワードモニタリング / 機械力学・制御 / 超音波 / 診断 / 信号処理
研究概要

申請者は,物体内部を通過する超音波の瞬時振動数が変化し,その度合いが内部状態の違いにより異なる現象を見出した,この現象は,これまでの方法に比較してより詳細な物体内部の組成変化を捉える可能性がある.申請者はこの現象を便宜的に超音波変調と呼んでおり,これを用いることで,通常の方法では難しい異常の検出や,内部状態の推定方法を確立し,機械装置の安全確保のみならず,これまでは計測困難と思われている種々の現象の検出を目的としている.
これまでの研究から,超音波パルスの瞬時振動数の精度はフィルタやパルス形状に影響されることがわかってきた.本年度は,瞬時振動数が物体の内部状態の違いを正確に表すことができるように,適切なフィルタと超音波パルスの形状の選択方法を研究した.
(1)安定した瞬時振動数を求めるために,超音波パルスをフーリエ変換した結果にフィルタを用いている.ガウスフィルタ,矩形フィルタ,二つのフィルタに絞って比較を行った.安定性はガウスフィルタが高いものの,精度は矩形フィルタが優れていることがわかった.高精度の瞬時振動数を得るには矩形フィルタが適しており,その安定性の向上には矩形フィルタのフィルタ幅を調整することで対応した,精度向上には広いフィルタ幅が必要となるが,安定性向上にはフィルタ幅を狭める必要がある.それぞれのケースに則し,最適なフィルタ幅を用いる.
(2)超音波パルスは,フーリエ変換した際の周波数のピークが,滑らかに一ヶ所のみに存在する形状が瞬時振動数の精度を保持するには望ましいことがわかった.ピークが分かれるような場合は瞬時振動数の精度が悪化する.このような超音波パルスは最大値を与える中央部を中心に対象の形状である.このパルスを発生させるために,超音波パルサーのパワー,減衰の調整が必要であることがわかった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Detection of Inner Abnormality by the Frequency Modulation of Ultrasonic Wave2010

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Nakano, et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 23rd International Congress on Condition Monitoring and Diagnostic Engineering Management

      巻: 1 ページ: 281-287

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 超音波の瞬時振動数に着目した新しい診断2010

    • 著者名/発表者名
      井上卓見
    • 雑誌名

      検査技術

      巻: 15-11 ページ: 1-7

  • [学会発表] 超音波の瞬時振動数に着目した物体内部の状態推定2011

    • 著者名/発表者名
      中野貴裕
    • 学会等名
      第60回理論応用力学講演会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2011-03-09
  • [学会発表] 超音波の振動数変化に着目した接着状態の推定2010

    • 著者名/発表者名
      中野貴裕
    • 学会等名
      徳島講演会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2010-10-16
  • [学会発表] 超音波周波数変調の検出による物体内部状態の診断2010

    • 著者名/発表者名
      杉山拓史
    • 学会等名
      Dynamics and Design Conference 2010
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2010-09-14
  • [産業財産権] 非破壊検査方法及び装置2010

    • 発明者名
      井上卓見
    • 権利者名
      九州大学
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2010/062905号
    • 出願年月日
      2010-07-30
    • 外国

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi