本年度では回転軸系を取り上げ以下の研究を行った。 1.Modelica言語を用いて回転軸系のモデル化を行った。モデル作成に当たっては、各種の不具合(アンバランス、欠損、軸受けのガタ等)を組み込み、従来報告されている不具合事例を再現できることを確認した。Modelica言語では個々の要素の物理的特性を微分方程式ならびに境界条件の形でモデルに組み込み、それを組み合わせてシステム全体の物理特性を表現することができるために、各要素の複雑な特性(非線形特性等)を容易に組み込むことまた組み替えることが可能となった。 2.上記で作成したモデルを用いて、不具合の程度を変えながら、実際に回転軸系に生じる振動等を求め、不具合事例としてデータベース化した。データベースには、不具合の種別とその程度に応じたデータを用意した。 3.上記の不具合事例を意味ネットワークを用いて関連づけを行い、不具合とそれによって生じる現象との関係を紐付けた。 4.上記で意味ネットワークによって紐付けられたデータから、実際のシステムに生じている現象を入力するとそれに応じた原因(例えば軸受けのガタ)を順位付けて示すことが確認できた。
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