研究分担者 |
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
近野 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90250688)
姜 欣 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30451537)
安孫子 聡子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40560660)
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研究概要 |
本研究の課題であるH形溝付きはり構造を用いた高剛性で高感度なマイクロ力覚センシングデバイスの製作にむけ,以下のような成果を得た. 1.起歪部にH形スリットを持つダブルピーム機構を採用する事で,荷重位置と実荷重を同時測定する手法をFEAと実験モデルによって見いだした.このことにより,操作者の違いによる把持位置変化の影響を排し,実際の把持力のみを知る事ができる.また必要であれば,その荷重位置を知ることもできる. 2.しかし,その平行はり間距離が,溝部厚さ,はり長さに比べて狭い場合には,荷重位置によってもたらされる偶力の影響を除去することが困難となる.その場合には,実荷重として得た偏置誤差のある校正曲線にたいし荷重位置情報をもとにした補正を行うことで,より高い精度の実荷重値を知ることができる. 3.H形スリットダブルビーム構造は,微小物体を扱う場合の把持指としては構造が複雑である.そこで単純な把持指を用いた場合における把持指についても検討を行った.その結果,信号取得の位置関係が既知であれば,荷重によって生ずる2点の信号の差をとることでH型スリットダブルビームはりと同様に,実荷重と荷重位置を知れることが解明された. 4.力覚提示機能を持つマイクロピンセットでは操作時の僅かな過大力が大きな損傷を生むことから,その過負荷防止は極めて重要である.そこで,微小な起歪体に適した新たな過負荷防止機構を提案し,その有用性の検証をした.
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