研究概要 |
可変形状トラスは,従来は固定のものであったトラス構造の部材を可変長アクチュエータとすることにより,その形状ならびに力学的特性を状況に応じて調節することを可能とする機械システムあるいは構造システムである.可変形状トラスの応用としては様々なものが考えられ,その研究も多くなされているが,基本的に高多自由度を特徴とするこのような機構においては比較的安価で軽量の可変長部材の適用が望ましい.本課題はこのような観点から可変形状トラスのアクチュエータに形状記憶合金ワイヤを適用することについて研究を行うものである. 研究期間の初年度であった本年度は,主として実現可能性の検討の観点から以下に示すような内容について研究を行った. 1.形状記憶合金ワイヤの特性のモデル化形状記憶合金の特性は非線形であるが,これを区分線形的に表現した力学モデルを構築した. 2.動作シミュレーショントラスの構造部としてワイヤを用いる場合構造としての安定性を保持するために不静定性のトポロジが必要となる.これに起因する内力を利用した双方向の駆動を想定した二次元および三次元の可変形状トラスに上記のモデルによる形状記憶合金ワイヤを適用した場合の動作シミュレーションを行った. 3.二次元可形状トラスの試作実に形状記憶合金ワイヤを用いた二次元の可変形トラスを試作し,予備的な動作実験を行った.上記項目2のシミュレーションおよび項目3の試作二次元システムによるの実験の結果,状記憶合金ワイヤを用いた可変形状トラスの実現が可能であることが確認できた.
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