研究概要 |
本研究で扱っている可変形状トラスへのワイヤ部材の適用においては,圧縮力を支えることができないという顕著な力学的特性をもつワイヤ部材が,主たる構造部材としての機能をも果たす.このような場合,自重の影響が比較的小さい二次元平面機構の場合と,その影響が大きい三次元立体機構の場合では,異なる視点からの検討が必要となる.以上のような観点から,本年度は下記のような点について研究を行った. 【三次元立体システムの動作実験】昨年度末に試作した三次元試作システムの動作実験を行った.駆動自体は達成できたものの,三次元可変形状トラス特有の問題である自重の影響ならびにトラス節点部のオフセットの影響が大きいことも確認した. 【並列ワイヤ機構の運動学】ワイヤを用いた並列リンク機構では,圧縮を受ける部材が(運動学的観点からは)消失するという問題を扱う必要がある.このような問題の一般的な観点からの運動学の取り扱いについての研究も行った. 【特異姿勢に着目した動作生成】三次元並列駆動メカニズムでは,比較的容易にいわゆる特異状態の近傍の姿勢を取り得る.しかしながら近年いくつか指摘されているように,特異姿勢は必ずしも単に避けるべき姿勢ではない.このような観点から,リンク機構の特異姿勢近傍の力学的特性の活用についての研究を行った.
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