研究概要 |
本研究では,手動制御系インタフェース操作時における作業者の動作精度を事前に推定し,迅速且つ正確,安全にその動作を完了するための支援方法を検討することを目的としている.本年度は生体情報を用いた予測・推定技術として,筋活動以外の生体信号を代替的に用いることを検討するとともに,実際にどの程度予測できるか調査し,リアルタイムで動作精度の推定を行うプロトタイプを作成することを目的とした 動作精度推定技術における新たな提案として,脳波を用いることによりある程度推定することが可能かまず検討した.そのために,動作の開始前に現れ,その後の行われる動作の動作計画を示すとされる運動関連電位(MRCP)の発生の程度と,その後の動作精度に相関があることを見出した.前年度は到達運動といった単純な作業を対象に調査し,その有効性を確認したが,本年度はさらに具体的な作業として自動車運転を模したシミュレータ操作時における動作精度を試みた.その結果,動作開始前のMRCPを用いることにより,70%程度の確率でその直後の作業成績の良い場合と悪い場合を推定できることを確認した そこで,MRCPのリアルタイム判別を目指し,Support Vector Machine(SVM)を実装したプロトタイプを試作した.一般的に加算平均でMRCPは抽出するが,ある程度試行した段階で算出したMRCPの基本波形と比較し,作業の良い場合と悪い場合を推定し判別する機能を持たせた.自動車運転シミュレータ操作時における動作にこのプロトタイプを適用し検証実験を行ったところ,同じく70%程度の確率で動作精度の推定ができた
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