50cm四方程度の範囲をナノメートルの分解能で動作する多自由度アクチュエータの開発を試みた。複数の圧電素子と複数の電磁石を組み合わせた多自由度インチワームを基本構成とした。インチワームが移動する平面上に、フライス盤を用いた円形の周期構造を形成し、インチワームの動作を評価した。円の接線方向にインチワームが移動する場合と、円周方向にインチワームが移動する場合とで、移動量が異なった。原因は明らかになっていないが、表面形状が分解能や変位量に影響を及ぼすことを明らかにした。 多自由度アクチュエータ用変位計測システムを明らかにした。アクチュエータの周囲に配置したリニアステージと、ステージに搭載した線状レーザを用いた。アクチュエータには位置検出素子を搭載し、レーザ光線を受光した。位置検出素子の出力とリニアステージの位置、およびリニアステージの移動時間から多自由度アクチュエータの位置を求めることができた。 圧電素子と電磁石を用いた多自由度インチワームは、それぞれの圧電素子が拘束されているため、圧電素子の伸縮順序が動作に直接影響を及ぼす。移動目標値が与えられたときの圧電素子への制御信号は、一意に求められることを明らかにした。
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