研究概要 |
補助人工心臓(LVAS: left ventricular assist system)装着下での血栓形成を抑制するためには,より生体に近い条件下での血流動態の検討が極めて重要である,実在的に心循環系の血行動態をシミュレート可能な循環回路を構築できれば,治療機器・方法の飛躍的な改善が期待できる.本研究課題では,血流量波形,血圧波形なども生体に準じて再現可能な心循環機能シミュレータを開発することで,LVAS装着下の病態・治療を想定した状態への対応を目指している. 本研究課題は平成20年10月に平成20年度分の研究課題として追加採択となったため,実質的には平成20年11月から研究を開始した,平成20年度は,一巡閉鎖回路の心循環機能シミュレータの製作を遂行する予定となっており,研究の開始から現在までの約4ヶ月間この設計および製作を実施している.これまでのところは,拍動式の駆動機構を設けた模擬心臓部とチューブを用いた模擬血管などの循環回路とを組み合わせた循環システムとして,この心循環機能シミュレータの構成を設計した,三相インダクションモータ(SF-HRFCAO, Mitsubishi Electric Co.,Ltd., Tokyo)によって駆動する油圧ダイアフラムポンプ(AXAH-K120, IWAKI Co.,Ltd., Tokyo)を設け,圧波形・流量波形の計測にはそれぞれ圧力トランスデューサ(PA-500-401G, Nidec Copal Electronics, Tokyo)・電磁流量計(MagneW-MGG11, Yamatake Co.,Ltd, Tokyo)を使用し,現在製作中である.今後は引き続き心循環機能シミュレータの製作を進め,平成21年度の完成を目指す.
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