今年度における研究成果を以下に列記する。 1.固定速形風力発電機に水素製造装置と蓄電装置を併設したウィンドファームモデルを構築し、解列状態における自立運転を含む運用について協調的制御システムを設計し、その有効性をPSCAD/EMTDCを用いたシミュレーションにより検討した。その結果、連系運転、解列準備運転、解列運転、再連系準備運転、再連系後の運転の何れにおいても制御系が問題なく動作することを確認し、提案システムの有効性を立証した。 2.永久磁石形可変速風力発電機(PMSG)、ダイオード整流器、降圧チョッパ、昇降圧DC-DCコンバータ、そして高純度水素発生器で構成される独立運転モデルシステムを構築し、電解槽をチョッパ制御による複数ブロック構成として蓄電池容量を軽減し、更に電解槽のスイッチングを緩和するために電解槽のON/OFFに可変の遅延時間を適用する方法の検討を行った。これらの有効性をPSCAD/EMTDCを用いたシミュレーションにより検討し、提案システムの有効性を確認した。 3.固定速形風力発電機から成るウィンドファームに蓄電装置としての超電導エネルギー貯蔵装置が接続されたモデルシステムを構築し、ウィンドファーム出力・電圧変動の平滑化制御、並びに事故時における安定運転継続のための安定化制御システムを設計し、PSCAD/EMTDCを用いたシミュレーション解析により提案システムの有効性を確認した。
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