本研究では、太陽光発電機の出力によってその端子電圧が変動しないような制御を提案するとともに装置を試作し、その効果を実験により確認した。 1)力率を1に保つ制御を検討し、発電機出力によって端子電圧が上昇することを数値計算および実験により確認した。 2)つぎに、電圧を一定に保つ制御を検討し、数値計算によりインバータ電圧や力率の変化を確認した。 3)電圧上昇に伴う力率1制御から電圧一定制御への切り替え、および出力減少に伴う電圧一定制御から力率1制御への復帰を検討した。 4)力率一定制御による送電損失と、上記の力率1制御と電圧一定制御の組み合わせによる送電損失を検討した。力率一定制御では力率が一定であるのに対し、後者では力率が高く保たれることを数値計算および実験により確認した。 5)引込線のインピーダンスと電圧制御との関係を明らかにした。インピーダンスの値によっては上記の制御方法がかならずしも実現できるわけではなく、引込線に直列リアクトルを挿入することを提案した。 以上の成果をまとめてIEEEの論文誌に投稿したところ掲載が決定した。また、製作したシステムにはリチウムイオン電池を組み込んでおり、その影響についても検討した。その結果は平成23年電気学会全国大会で発表した。震災のため、大会は中止となったが、講演集は発行されている。
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