研究概要 |
平成20年度は超高速スイッチング形電力変換器の新トポロジー検討,ならびに,計算機シミュレーションによる基本動作の検証と予備実験を行った。それらより以下の研究成果が得られた。 (a) 超高速スイッチング素子に適した新トポロジーの検討 電力変換器で使用される全てのスイッチング素子が同一電位で駆動され,複数の絶縁電源を必要としない新しいトポロジーを検討した。その結果,電圧形インバータにあってはネスト構造をもつ新トポロジー,その双対に当たる電流形にあってはフィッシュボーン構造をもつ新トポロジーを考案した。 (b) 超高速スイッチング素子に適した実装方法の検討 ゲートドライブ電源のトランス一次二次間に存在する寄生容量を低減するマルチコア構成法を検討し,これを適用したDC/DCコンバータを開発した。その結果,従来の商用周波数に用いられる絶縁トランスに対して一次二次間の寄生容量を1/5にまで低減できることがわかった。 (c) 計算機シミュレーション 全スイッチング素子共通電位化された電力変換器の制御方法を検討しながら,計算機シミュレーションにより主回路動作の検証を行った。これに伴い,スイッチング周波数やインダクタなどの回路パラメータについても考察した。 (d) 予備実験 マルチコア絶縁電源の試作を行い,ゲートドライブ電源を貫通するコモンモードノイズ電流を1/4に低減できることを確認した。
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