研究概要 |
本研究では,研究代表者が開発してきた球面電磁アクチュエータの基本構造を元に,高トルク化・広角化のための構造検討を行い,関節アクチュエータを実現すると共に,人間型ロボットアームへ搭載して,その性能を確認することを目的とする。更に,アクチュエータの最適化設計にあたり,応答性能・コンプライアンス性能などの動作性能を評価するために,三次元有限要素法を用いた動作解析手法を開発し,試作機による実験検証によりその有効性を確認する。 本年度は,二自由度球面アクチュエータの原理モデルを元に,高トルク・広角化へ向けてのシミュレーションによる磁気回路パラメータを最適化し,平均トルク定数を約2倍とした。この結果に基づき,試作機による実験検証を行い,その有効性を確認したが,関節アクチュエータとしての要求性能を満足せず。更に,三自由度球面アクチュエータの原理モデルを支持機構とともに提案し,その動作原理を明らかにすると共に,三次元有限要素法解析による最適化の結果,最大トルク2.1Nm,X,Y軸周りの回転角度30°(±15°),Z軸周りの回転角度360°を実現した。また,複数の固定子磁極へ印加するコイル電流を独立励磁して任意方向への駆動の実現性を確認するため,各軸のコイル励磁時において,他軸へのトルク干渉について検討した結果,ほぼ影響がないことを確認した。更に,三次元有限要素法を用いて,球面アクチュエータの空問運動モデルを考慮した動作性能解析アルゴリズム,基本プログラムを開発した。 今後,三自由度アクチュエータの更なる高性能化と,動作解析シミュレータの簡易モデルによる解析精度,球面アクチュエータの動作性能を計測するための実験装置の開発を進めていく。
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