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大気中の電力機器の外部電気絶縁耐力に与える炭酸ガス(地球温暖化ガス)濃度効果を検討するのが研究目的である。
CO2ガスの大気中濃度が約400ppmと微量であるので、そのガス効果を鮮明にするため、不純物の混入の少ないオイルレス高真空排気ユニットを用いた放電容器を使用した。
実験は、室空気と合成空気(N2/O2混合ガス)に0～20000ppm(2%)の濃度範囲のCO2ガスを混入し、特別高圧領域の棒対平板ギャップ(ギャップ長6.25cm)の正極性と負極性の直流火花破壊特性に加えて、実用上重要な交流電圧の火花破壊特性を実測した。その結果、次のことが明らかになった。
(1)合成空気の炭酸ガス濃度の上昇に伴って、交流電圧の電気絶縁耐力も低下するが、正極性直流電圧の火花破壊特性に見られた極端な低下は認められなかった。しかし、2%へ炭酸ガス濃度を上昇すると、交流の火花破壊電圧は約二分の一へ低下した。
(2)交流電圧での火花破壊過程の放電発光と放電電流の観測から、火花破壊は印加電圧の正のサイクルで必ず起こることを確認した。
特に、交流送電線近傍の火災による炭酸ガス濃度の上昇は、空気の気体温度の上昇による火花破壊低下効果より大きくなる可能性を示唆する。
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