研究課題/領域番号 |
20560287
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小野 俊郎 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30374812)
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研究分担者 |
豊田 宏 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90400126)
福田 幸夫 諏訪東京理科大学, システム工学部, 教授 (50367546)
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キーワード | 誘電体 / 作成評価技術 / プラズマ成膜 / ゲート膜 / MIS |
研究概要 |
本課題は室温近傍の低温で高品質な高誘電体薄膜の開発と、そのMISゲート界面の高品質化に関する。今期はSi-MISのV_<fb>シフト抑制のためのECRスパッタSiO_2ゲート形成法、Ge-MISゲートへの適用評価について実施した。 (1)イオンエネルギーとV_<fb>シフトとの関係を検討した。イオンエネルギーは成膜中の圧力で制御し、高品質膜を形成する低ガス圧条件(~0.06Pa)での25eVと、高ガス圧条件(~0.15Pa)での10eVとした。全体膜厚を20nmとして高ガス圧条件膜と低ガス圧膜の比率を変えてAl/ECR-SiO_2/Si/Al構造のMISを形成しCV、IVを評価した。高ガス圧条件膜割合の増加に伴い室温成膜でのV_<fb>シフトは低減し、高ガス圧膜のみでは理想CVのV_<fb>が室温成膜、成膜後熱処理無しで得られた。ただし、容量値そのものは低ガス圧膜に比して減少し、膜質そのものは改善の必要があることがわかった。以上から、本課題における主目的を達成できた。 (2)Ge-MISのゲート形成への適用性拡張について検討した。ゲート膜はECRプラズマ酸化を施したのちにECR-Al_2O_3膜を形成し構造はAu/ECR-deposited-Al_2O_3(4nm)/ECR-plasmaoxidized-GeO_2(5nm)/Ge/Alである。ECR処理は全て室温であり、MIS構造化後にN_2+3%H_2雰囲気で400℃x30分の大気圧アニールをした。CV特性からは、周波数に依存しない良好なCV-特性が得られ、容量から換算したEOTは8.3nmとなっている。また、ミッドギャップにおける固定電荷密度D_<it>は4.5x10^<10>cm^<-2>・eV^<-1>であり、極めて小さい値となっている。リーク電流は1x10^<-9>A/cm^2以下と極めて良好である。以上からポストシリコンの最有力なGe半導体の実現に向けて先導的な結果を示した。
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