研究概要 |
誘電率に-軸異方性を有する誘電体円板中のWGモード共振電磁界の厳密解析を平行平板形モードマッチング法を適用することにより行った.これにより,プラスチック樹脂中にガラスファイバクロスを積層したタイプのミリ波回路基板材料の測定が可能となった.実際の測定手順を確立し,いくつかの回路基板材料についてミリ波誘電率を測定し,誘雷率異方性が確かに存在することを示すことに成功した.回路設計においては,この誘電率依存性を考慮した厳密な特性計算に基ずくことが必要であり,本結果はミリ波回路の有意な設計基礎資料となる. また,本測定法の妥当性を示す材料として,遮断円筒導波管による測定結果との比較を行った.両測定法による測定結果はよく一致し,お互いの妥当性を立証する材料を得た. さらに,計画通り測定用装置の改良も進め,恒温槽を用いた温度特性測定システムの開発および温度特性取得のためのソフトウェア整備を一通り完了した.震災の影響もあり研究計画終了時においては,まだ各種基板材料に対する温度特性取得データは少ないが,今後も測定を重ねる予定である.
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