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2010 年度 実績報告書

逆プロトン交換を用いたバルク波フリー弾性表面波基板と低損失広帯域フィルタへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 20560293
研究機関山梨大学

研究代表者

垣尾 省司  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (70242617)

キーワード弾性表面波 / 逆プロトン交換 / 弾性表面波フィルタ / バルク波放射 / 伝搬損失 / リーキー表面波
研究概要

情報通信の大容量化・多機能化に伴い,LiNbO_3やLiTaO_3の圧電性を利用した弾性表面波フィルタの低損失化・広帯域化が強く要請されている.本研究では,リーキー弾性表面波伝搬の損失の原因となるバルク波を抑圧する手法として,逆プロトン交換法により基板内部に埋め込んだプロトン交換層をバルク波のトラップ層として利用する方法を提案し,バルク波フリー,かつバルクと同等の結合係数を有する基板構造を実現させ,低損失・広帯域弾性表面波フィルタを実現させることを目的としている.
本年度(最終年度)は,昨年度の理論的検討に引き続き,Xカット36°Y伝搬LiNbO_3上を高速で伝搬する縦波型リーキー表面波の低損失化を目標として,基板表層に逆プロトン交換層を形成してプロトン交換層を基板内部に埋め込んだ基板構造を適用し,その伝搬特性を実験的に検討した.提案構造を形成すると,基板の圧電性がほぼ保持された状態で,バルク波放射に起因する損失が減少し,その伝搬特性や共振特性が格段に向上することを発見した.例えば,電極波長3.6μm,対数100,反射器50本の共振子の共振/反共振のアドミタンス比が,提案構造の形成によって7dBから28dBに増大した.ただし,特性が格段に向上した領域は,作製した試料上の一部の領域であるため,逆プロトン交換層を形成したにも関わらず圧電性が回復しない要因を特定し,試料上全面に圧電性が回復した領域を形成可能な作製条件を確立することが,新たに判明した今後の課題である.これらを解決すれば,例えば携帯電話用高周波SAWフィルタへの適用が可能な基板構造として十分に期待できる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 逆プロトン交換LiNbO_3基板上の縦型漏洩弾性表面波の伝搬特性2011

    • 著者名/発表者名
      垣尾省司
    • 学会等名
      2011年電子情報通信学会総合大会,AS-2-11, pp. S-37-S-38
    • 発表場所
      東京,東京都市大学
    • 年月日
      2011-03-17
  • [備考] 該当無し

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公開日: 2012-07-19  

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