研究概要 |
本研究はプラズモン・アシスト磁性構造体を開発し,その材料・構造・スピン依存性,線形と非線形の光学および磁気光学特性を解明するものであり,さらにスピン制御が可能な新規の光・電子材料を創製し,マイクロ光磁気デバイスおよび電子デバイスへの応用の可能性を探求する,以下にH21年度の成果を述べる. 1. 昨年度に引き続いて,繰返し形成で作製したAuナノ粒子とBi:YIGとの複合膜における磁気光学効果について研究を行った,Au堆積量と密度を高めたナノ粒子をBi:YIGと合わせて複合膜にしたとき,プラズモン共鳴波長で,ファラデー回転を大きくすることができる,試料の作製法,ファラデー効果の磁界依存性などについて検討した. 2. 電子線描画法を用いて作製した周期配列Au粒子とBi:YIGとの複合膜を作製した.正方配列や六方配列粒子では,粒子の距離や大きさに関連した表面プラズモン共鳴波長の変化やファラデー回転が増大し,最大-0.67deg.の回転角が得られた,これはBi:YIG単層膜の約20倍の回転である,長方配列では,偏光方向による回転角と楕円率角の偏光の角度依存性が観察された,プラズモン共鳴波長は,入射光の電界ベクトルの振動方向と垂直な方向の粒子間隔が増加するとき,共鳴波長の長波長側へのシフトが起こった.ファラデー回転角は,プラズモン共鳴波長でも増大するが,粒子の配列方向に対して斜めの偏光を入射したとき,プラズモン共鳴波長とは異なる波長で楕円率角が最大になり,最大のファラデー回転が得られることが分かった. 3. 都市エリア産学官連携事業で企業と共同開発した原子間力顕微鏡(AFM)を応用して,近接場光学顕微鏡(SNOM)を作製した. H21年度は,光ファイバー開口プローブを用いて,試料表面の高さの画像を取得し,かつ光情報の画像を取ることができることを確認した.
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