研究課題
SUS/Feシースを有する線径0.1mmのMgB_2線材を用いて試作した液化水素用の超伝導式液位センサについて、液化ヘリウムを充填したガラスデュワー内に鉛直に配置することで予備実験を実施した。ガラスデュワー内には、既に市販化されているNbTi液位センサも同時に設置し、試作したMgB_2液位センサの出力と比較・検討した。その結果、1.1A以上の電流を通電することでMgB_2液位センサが正常動作し、液面位置(液位)と発生電圧が1対1に対応することがわかった。また、自然蒸発による液位降下時と再充填による液位上昇時について、両者が良く一致することから再現性が良好な結果も得られ、試作したMgB_2液位センサが健全であることを確認した。次に、液化水素を充填した真空断熱容器内に試作したMgB_2液位センサを鉛直に設置し、動作確認の本実験を実施した。液化水素を用いた実験では、PtCo温度センサを離散的に配置することで、MgB_2液位センサの出力を較正した。その結果、0.6A以上の電流を通電すると、MgB_2液位センサの発生電圧と液位が1対1対応することがわかった。しかし、測定結果を外挿すると完全浸漬状態でも有限の電圧が発生すること、および再充填時の蒸発水素ガスの温度や圧力により発生電圧の再現性に問題があることがわかった。これらの課題を克服するためには、電気抵抗率の温度依存性が大きいFeシースの使用を止めることや、長手方向の均一性を確保するため多少線径を太くする必要があることを明らかとした。
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Proc.of 22nd Int.Cryogenic Engineering Conf./Int.Cryogenic Materials Conf.2008(ICEC22-ICMC2008)
ページ: 425-430
低温工学 44
ページ: 366-372
http://www.sc.kyushu-u.ac.jp/~kajikawa/