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2008 年度 実績報告書

高エネルギー電子線と高分子材料の相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560306
研究機関首都大学東京

研究代表者

鈴木 敬久  首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30336515)

キーワード高エネルギー粒子線 / 誘電体物性 / 感温液晶マイクロカプセル
研究概要

本年度は電子線照射実験時のエネルギー吸収分布に関して定量化を行うための手がかりとして,非接触・非侵襲でリアルタイムに対象とする資料の内部温度分布を可視化が可能である,感温液晶マイクロカプセル(MTLC)による方法を検討した.具体的には温度の定量化手法の開発を行った.そのために非圧縮デジタル画像を取得できるCCDカメラシステムを導入し可視化画像の劣化の低減を試み,温度分布を定量化するのに十分な画質の画像を得ることが出来た.また定量化において,温度をパラメータとするMTLCの発色特性をRGB色空間上の軌跡として表示し,温度と色を1対1対応させる校正手法を開発し,温度定量化の精度を高めた.この手法は測定の入射光,観測するためのカメラの仕様に係わらず使用できるので,MTLCを用いた温度定量化手法をより実用的にできるという点で意義がある.
また上記の定量化手法を利用し高エネルギー電子線照射時の透明エポキシ試料内の電子線による温度上昇分布の測定を行った.入射電子の加速エネルギーに関して1MeV,1.5MeV,2.0MeVの3条件で実験を行った.その結果PEA法(パルス静電応力法)により得られる粒子蓄積位置よりも浅い位置に温度上昇のピーク位置があり,入射電子線により運動エネルギーが照射材料に付与される位置が粒子蓄積位置よりも比較的浅いことがわかった.また今回の加速エネルギーの条件で,粒子蓄積位置と温度が最大値を取る位置の比を取ると,電子の加速エネルギーに係わらず,ほぼ一定の値(0.3)になることが分かった.この結果を物理的に説明するために,次年度に向けて相対論的な効果を取り入れた粒子シミュレーションコードの開発に着手した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高分子材料への高エネルギー電子線照射実験のためのシミュレーションコード開発2009

    • 著者名/発表者名
      長田憲司朗,鈴木敬久
    • 学会等名
      応用物理学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20090300
  • [学会発表] 感温液晶マイクロカプセルを用いたミリ波曝露における温度分布の可視化2009

    • 著者名/発表者名
      田口貴幸,齊藤博史,鈴木敬久
    • 学会等名
      電子情報通信学会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20090300

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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